売上が伸びない時の着目点

Date:2018.10.01

今年は地震、大雨、台風など、自然災害に見舞われることが多い年です。皆さんのお店も多少なりとも災害の影響を受けて売上を確保することが難しくなっているのではないでしょうか?災害の影響を受けると、楽天市場のランキングでも売れる商品が変わってきます。ミネラルウオーター、懐中電灯、モバイルバッテリー、防災グッズがランキングなど。。。これらの商品が上位を占めるようになると、通常とは違う傾向が出てきていると言えます。

もちろん、災害の影響を受けると全体的に売り上げが下がる傾向がありますが、「何が理由で売り上げが下がっているのか?」その理由は的確に把握しておく必要がります。なぜなら、原因が特定できないと何も対策ができないからです。

今回は売上が思うように伸ばせない場合、どこをどう着目されば良いのかを考えてみましょう。

売り上げが伸びない時の要チェック項目

楽天市場では「売上の公式」として「売上=アクセス人数×転換率×客単価」というものがあります。これらの項目がすべて伸びていると売り上げも確実に伸びていくのですが、なかなか思い通りに行かないのが現状です。アクセス人数、転換率、客単価、そしてその他の項目が売り上げにどんな影響を及ぼすかを見てみましょう。

アクセス人数

サイトに訪問したユーザーの合計人数です。アクセス人数は「人気のバロメーター」と言っても過言ではありません。売り上げを構成する上で最も重要な指標で、アクセスなくしては売り上げを伸ばすことはできません。

特に、新規比率が高い店舗さんに関しては、売り上げが下がった場合に、比例してアクセス人数も下がっているというケースが多々あります。売り上げが伸び悩んだ場合は、真っ先にアクセス人数が下がっていないかどうかを確認しましょう!

転換率

アクセス人数に対しする売り上げ件数です。(転換率=アクセス人数<人>÷売り上げ件数<件>)全体的にアクセス人数が減少したとしても、売り上げ件数がそれほど減っていない場合は、逆に転換率が上がる場合もあります。一方、アクセス人数の減少と比例して転換率が下がっている場合には、競合他店にユーザーが流れている可能性があります。その場合は、他店の販売価格の推移(競合商品や売れ筋商品が値下げされていないかどうか?)、直近で広告で商品が掲載されていないかを確認してみましょう!

客単価

一人当たりのユーザーが1回の買い物でいくら購入したかを数値化したものです。(客単価=売り上げ件数<件>÷売上金額<円>)低単価商品が数多く売れたり、同梱件数(他の商品と一緒に購入するユーザー)が減少したりすると低下する傾向があります。また、スーパーSALEやお買い物マラソンなど、買い回りイベント開催時にも減少する場合があります。(買い回りイベントでは、購入した店舗数に応じてポイント倍率が高くなるため、低単価の商品を複数の店舗で購入するユーザーが増えます。)

PCとスマホの販売比率

意外と盲点なのが「PCとスマホの販売比率」です。最近ではスマホ(特にアプリ経由)での注文件数が増加しているため、PCを中心としてページ作りやイベントの告知だけに注力していると、上手にユーザーを取り込めない可能性があります。販売チャネル別の販売戦略は時代の流れとともに柔軟に対応していかなければなりません。今一度、PCとスマホの販売比率の推移を確認してみましょう!

広告運上に関する最近のトレンド

広告の反応率も時代の流れとともに変化していきます。今までと同じ広告ばかりを利用していると、次第に広告費率が高くなったり、反応が悪くなっていく危険性があります。筆者の感覚では、最近はポイント広告よりもクーポン広告の方が反応が取れやすと感じています。モール負担のポイントの還元率がどんどん上がっていることを背景に、ポイントよりも販売価格の安さを優先するユーザーが増えているのでは?と推測します。

また検索連動型広告もRPPに変更になってから運用方法が異なってきています。RPP広告は原則としてすべての商品が広告掲載の対象となるため、除外商品を上手に設定しながら、費用対効果を効率よく上げていく工夫をしなければ、いつまで経っても上手に広告運用することはできません。

広告のトレンドは、広告を運用する上で生命線となります。ランキングに入っている商品がどのような広告、もしくは販売戦略を実践しているかを常に意識しておきましょう。

 

現状を踏まえた上で優先すべき事を考える

​売上を構成するこれらの要素が、自分の店舗内でどう推移しているかをしっかりと分析することで必ず今のお店の現状が見えてくると思います。

例えば、新規ユーザーの比率が多くて、かつ、アクセス人数と売上げが減っているのであれば、アクセス人数を確保することを優先してください。

もし、客単価が減っているのであれば、一人のユーザーに一つでも多く商品を購入してもらえるよう、同梱商品の提案や、同じ商品の複数個数購入で送料無料や値引きなどのキャンペーンを実施してください。

また、PCよりスマホの販売比率が急に伸びているのであれば、スマホのページや、スマホページ内での回遊性を高める工夫をしてください。

現状が可視化されてはじめて具体的な販売戦略を見えてきます。現状が見えないまま闇雲に行動することだけは決してやめましょう!

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