楽天市場2016年の方向性

Date:2016.02.05

現在、日本主要都市で楽天新春カンファレンスが開催されています。楽天新春カンファレンスでは店舗様同士の出会いの場であるとともに、楽天市場での今年の方向性や戦略が発表されます。今回は新春カンファレンスで発表された2016年の楽天市場の取り組みについて見ていきましょう。

楽天市場2016年の取り組み概要

使い勝手とサービスの向上

楽天モバイル、楽天アプリ、楽天カードの機能&サービス向上を軸に、楽天ユーザーの顧客満足度を向上させ流通総額アップを目指す。

 

安心安全な売り場作りを強化する

安心安全な売り場こそが顧客の信頼を得る最大の要素であり、店舗および楽天市場の成長に繋がる!

 

ジャンル戦略

これまで楽天の主軸であった「エリア戦略」に、新たに「ジャンル戦略」を追加。主に型番商品(家電、スポーツ)と非型番商品(食品、飲料、ファッションなど)に分けて、ジャンルごとに戦略を立て、顧客へのアプローチを強化することが目的。

使い勝手とサービスの向上

使い勝手の向上

スマホの「楽天アプリ」からの流通総額は昨年対比で+82.2%と急成長。楽天市場でのスマホを経由した購入金額(顧客単価)の伸び率は、アプリインストール1年後には+20%と増加する傾向がある。今後、楽天アプリの開発をさらに進めることで、欲しい商品より簡単に見つけることができる売り場作りを目指す。

 

楽天カードユーザーの更なる囲い込み

現在、楽天カードの会員数は1,200万人で、楽天市場全体の売上の約43.5%が楽天カードによる決済。楽天カード加入による楽天市場の購入額の伸び率は+96%と約2倍に増加。(カード加入一年後の伸び率)楽天カードを利用した際のポイント還元率をアップするなど、さらに加入者へのメリットを強化することにより楽天市場への顧客の定着を目指す。

 

楽天モバイルユーザー増加による囲い込み

大手3大キャリア(docomo, au, Soft Bank)と比較して低料金が魅力的な楽天モバイル。現在、13機種からスマホ、タブレットを選択可能。月々の利用金額に応じて楽天ポイントが付与される。また、楽天モバイルを利用して楽天市場で商品を購入した際のポイント還元率アップなど、楽天市場との親和性が高い。楽天では優良顧客を育成する上で重要なサービスとして位置づけており、有名人を起用したCMを活用してユーザー獲得に注力していく。

 

スーパー・ポイント・アップ・7(SPU7)の導入

2016年1月からエントリー無しで最大ポイントが7倍付与される(ポイントは楽天負担)キャンペーンを恒常的に実施。現在、このキャンペーンには期限がなく、可能な限り継続していく予定。ネットで買い物する時には「優先的に楽天市場を利用する顧客数増加」を目指す。

安心安全な売り場作りを強化する

楽天安心ショッピングサービスの導入

・代金を支払ったのに商品が届かない
・お届け予定日を過ぎて商品が届いた
・商品ページの内容と全く違うもの、または、欠陥品が届いた
・返品したがショップが対応してくれない
・ブランド品を購入したけど、もしかして模倣品なのでは?

 

注文日の翌日から90日以内に楽天市場にご連絡し、調査後、補償条件に合致した場合、購入代金を最高30万円(送料込)まで補償するサービスを導入。安心して楽天市場で購入してもらえる環境を整える。

 

お客様の不満をスピーディーに解消する仕組み作り

商品購入後、商品レビューの評価が著しく低かった(★1つ)お客様に対し、楽天市場のコールセンターから連絡して「不満の要素」をヒヤリング。その内容を店舗側と共有して不満をいち早く解消する体制を構築し、顧客満足度向上を目指す。

 

偽物排除に対する取り組み

ブランド管理者、警察などの公的機関と連携を強化して偽物の徹底排除を目指す。

ジャンル戦略

三木谷社長の直下に、各ジャンル専門の部門が設置。カテゴリごとに予算を組み、楽天市場全体の企画に加え、ジャンルにより特化したより専門性の高いキャンペーンや企画を実施。顧客へのアプローチを更に強固なものにすることで、楽天市場へ流入してきた顧客の転換率を最大限に高める取り組み。

価格比較サイトへの露出強化

型番商品を購入した顧客の約半数の購買理由は「価格が安かった」から。価格.comなど価格比較サイトへの露出を強化することで、外部サイトからの顧客数流入増加を目指す。

 

ナビゲーションの強化

会員数1億人を超える楽天に集まったビッグデータ(情報資産)をもとに、数々の仮説を立て、最も購入に繋がりやすいカテゴリの組み立て方を検証。欲しい商品が簡単に見つけやすい快適なページ作りとナビゲーションの構築を目指す。

 

コンテンツの強化

雑誌、リアルイベントとの連携で、商品に関するコンテンツの強化を図る。読み応えのある情報をユーザーに開示することで、商品に関する関心を深めてもらうことが狙い。

 

アフターサービスの強化

Google検索で「ネット通販」というキーワードで検索すると「取り付け」「設置」「アフターサービス」に関心が高いユーザーが多いことが判明。楽天のカゴを経由して大型家電の取り付けやメンテナンスを提供できるサービスを提供することにより、リアル店舗でしか提供できなかったサービスの提供を目指す。

楽天市場では顧客に対して質の高いサービスと安心感を提供することで、更なる顧客の囲い込みと定着を目指しています。さらにジャンル戦略を新たに取り入れることで、より利用しやすい売り場作りの構築を目標として掲げています。楽天カード、楽天モバイルをはじめとするグループ各社とのネットワークを最大限に利用することで、最大限の顧客取込&獲得に繋がることが期待されます。

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