どうなった?楽天市場3,980円以上送料無料の「その後」

Date:2020.04.01

2020年3月18日に開始された楽天市場の新しい取り組みである「3,980円以上送料無料」について、その状況が徐々に見えてきました。賛否両論あったこの施策ですが、サービスが開始されて以降、出店店舗動きはどうなったのでしょうか?今後の方向性も踏まえて考えてみましょう。

 

大半のショップが39ショップの仲間入りに!

2020年3月末現在の楽天市場への出店店舗数は約50,000店です。筆者が独自に得た情報によると、3月18日以降、3月末までの約2週間足らずの期間で3,980円以上送料無料店舗(いわゆる39ショップ)としてこの施策に参加している店舗数は約38,000店にも達するそうです。実に出店店舗全体の76%の店舗が39ショップとして3,980円以上送料無料として商品を販売しているのです。

 

様々な任意団体が発足し物議を醸したこの企画は、蓋を開けてみれば多くのショップが賛同するという結果になりました。この状況は何を意味するのでしょうか?

 

 

低価格で送料無料がこれからの時流!?

サービス開始直後にも関わらず、なぜこれだけ多くのお店が3,980円以上送料無料企画に賛同したのでしょうか?それは、今後のトレンドとして低価格で送料が無料になるという今のECトレンドを多くの店舗が、実質、認めたと思っても過言ではありません。Amazonでは随分前からプライム会員に対して非常に安い購入金額を送料無料ラインとして定めていました。ユーザーにとってはそのラインが基準として定着し始めており、楽天市場もその事態に危機感を感じて今回の企画を打ち出した可能性が高いです。一部、商品価格に送料を上乗せする形で39ショップの仲間入りを果たしているお店もあるかとは思いますが、結果としてこの企画に乗っかたお店の判断は賢明だったと言えます。なぜなら、39ショップは楽天市場の検索結果で「39ショップ(送料無料ライン対応)」のアイコンが表示されます。これだけでも十分目立ってユーザーに対するアピール度は高まります。さらに、39ショップ対象の楽天市場負担のポイント企画なども開催されており、実質39ショップに対する対応は非常に手厚くなっています。これらの優遇策を背景に売上が今以上に伸びていく可能性は大いに高くなるはずです。

 

 

これからどうなる?

全出店店舗の70%以上のお店が送料無料企画に参加している中で、いま岐路に立たされているのは39ショップにまだ参加していないお店です。もちろん、送料無料ラインを下げることで経費負担が大きくなり利益が圧迫されるという考え方は理解出来ますが、もし、同じような商品を販売している競合他店が39ショップとして3,980円以上送料無料で販売できているとしたならば、店舗運営そのものを見直す必要があります。「仕入れ価格をより安くするにはどうすれば良いか?」「作業効率を上げることはできないか?」「今より少ない人員でお店を切り盛りする方法ははいか?」「無駄な広告費を使っていないか?」など、現状を見直すことでコストを抑える余地はあると思います。なぜなら、競合他店は3980円以上送料無料で販売できているのですから。。。

 

送料無料企画も、価格競争も、店舗運営そのものも、すべて自由競争の範疇です。その現実としっかりと向き合いながら、最良の店舗運営戦略を再考してみましょう。

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