2016年ECトレンド大予想

Date:2015.12.31
国内最大手ECポータルサイト「楽天市場」に少しでも追いつこうと、その他主要モールの「やる気スイッチ」がオンになった2015年。モール間での顧客獲得競争が強化し、これまでには見ることが無かった大きな動きがでてきました。これらの動きは2016年のECトレンドにどんな影響を及ぼすのでしょうか?楽天市場、Yahooショッピング、Amazonの国内主要3モールの2016年のトレンドを予想してみましょう。

楽天市場2016年予想

流通総額2兆円を超える国内最大手の楽天市場ですが、これまで順調に推移してきた成長率が2015年後半より鈍化傾向にあります。筆者の推測ですが、成長鈍化の主な原因として「お買い物マラソン」「スーパーSALE」など楽天市場内でのキャンペーンのマンネリ化、既存顧客の成熟化(企画に踊らされることなく、本当に欲しいものを、欲しいタイミングに、最良の条件で購入できる術を身につけたスマートな顧客の増加)、競合他モールの攻勢などが挙げられます。
もちろん、楽天市場としては現状に甘んじることなく、更なる成長を目指して色々と対策を練っているはずです。ユーザーインターフェイスの向上、ユーザーの興味を引きつけるためのコンテンツ強化、担当ECCによる店舗へのサポートの改善など、様々な方面での改善を検討しているに違いありません。毎年恒例の新春カンファレンスが2016年1月より日本全国の主要都市で開催されますが、その際に今後の具体的な戦略と方向性が共有される可能性は高いと言えます。2016年は楽天市場にとって「反撃の年」になることは間違いないでしょう。

Yahooショッピング2016年予想

ソフトバンクホークス優勝セール、いい買い物週間、毎日ポイント5倍キャンペーンなど、2015年後半から一気に攻勢転じたYahooショッピング。子会社である文具&日用品販売サイト「LOHACO」では、いい買い物週間の最大の山場であった11月11日の売上げが昨年同月対比で7倍を記録するなど、想像を大きく超える結果を残しました。
今回のYahooショッピングの快進撃は、すでに出店している店舗もそのポテンシャルの大きさを痛感したことでしょう。実際にこれまでの売上げとは比較にならないほど成長を遂げている店舗も数多く存在することも事実です。2016年以降も今の勢いを弱めることはなく、ポイントキャンペーン、テレビCMを中心とした外部メディアへの露出強化を武器に更に攻め続けていくと予想されます。
しかしながら、Yahooショッピング負担で「プロモーション費用をいつまで捻出できるか?」が懸念されます。一昨年の無料化以降、赤字の金額が大きく膨らんだと噂されるだけに、どこかのタイミングでこれまでの投資を回収する必要があります。ユーザーと店舗にとっては非常に有り難い市場と言えますが、Yahooショッピングにとっても良いビジネスモデルが確立できるよう、新たな動きが予想されます。

amazon.co.jp 2016年予想

出店店舗の売上げ規模が昨年対比で+40%と大幅に売上げを伸ばし続けているamazonジャパン。得意の物流代行サービス(amazon FBA)の導入を積極的に店舗に奨励するとともに、他モールに後れを取っていた「運用部分」でのインターフェイスや機能の強化を図っており、これまで以上に店舗運営がしやすいインフラが整備されてきました。
型番商品に関しては圧倒的な数の支持者(消費者)を獲得しているamazonですが、非型番商品(特に食品や、ファッションなど)につきましては、他モールと比較して販売が難しいとされています。2016年は、これら非型番商品を取り扱う店舗の売上げがいかにして伸ばせるかが、amazon.co.jp全体の売上げUPに繋がる重要なカギとなりそうです。プロモーションメニュー、運用機能、ユーザーインターフェイスの更なる改善が期待されます。

EC業界全体のトレンド予想

日本国内のEC市場は約12.8兆円規模にまで成長してきました。スマホやタブレットの普及に伴い、ネットで商品を購入する顧客数も爆発的に増えています。とある調査では「2020年までにECの市場は10%ずつ成長していく」とも予測されており、今後も成長し続けることは間違いなさそうです。
しかしながら、将来有望な市場だけに競合店との競争もますます激化することが予想されます。ネット販売で売上げを伸ばし続けるためには、トレンドにあった戦略を実践することが重要と言えます。国内大手3大モールの動向はもちろんのこと、取扱商品ジャンルのトレンドを的確に把握しながら様々な戦略を考えていきましょう!

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