キャリアを軸にしたYahooショッピングの新戦略

Date:2017.01.31

楽天市場やアマゾンを追従するため、これまでに様々な戦略を実践しながら着実にユーザーを囲い込んでるYahooショッピング。eコマース革命と題して、2013年10月に出店料と販売手数料無料化を導入して以降、現在では店舗数45万店舗、商品点数2億3千と日本最大クラスのショッピングモールに急成長しました。そして、つい最近、eコマース革命第2章と銘打って長期間に渡る大々的なキャンペーンを発表しました。今回は、そのキャンペーンの内容とYahooショッピングの狙いについて見て行きましょう!

 

 

毎日、いつでもポイント10倍

今回のキャンペーンの目玉は、2017年2月1日~5月31日までの4ヶ月間、毎日いつでもポイント10倍という内容です。5のつく日やYahoo! Japanカード、Yahooプレミアム会員の特典を合わせると最大で20倍のポイントが付与される大盤振る舞いのキャンペーンです。このキャンペーンはYahooショッピングおよびアスクルと提携した日用品サイトLOHACOを利用した場合に適応されます。

 

 

キャンペーンの特徴は特定のキャリアユーザーに特化したこと

一見、誰もが目を見張るような強烈なインパクトがありそうなこの企画ですが、実は対象がソフトバンクスマホユーザーに特化したキャンペーンであるという特徴があります。ご存知の通りYahoo! Japanはソフトバンクの傘下で、YahooショッピングはYahoo! Japanの中の一部門として運営されています。同じグループ企業のキャリアに特化することで、これから更に増え続けるスマホ経由でのネット注文ユーザーを効率良く獲得することが狙いです。キャリアを持たない(もしくは、持っていたとしても未だ契約者数が少ない)ショッピングモールと差別化を図る上で、非常に効果的な戦略だと言えます。

 

なお、買い物客に還元するポイントは全てYahooショッピング負担(獲得できるポイントの上限は月毎に10,000ポイントまで)となり、出店店舗側は実質ポイントの負担が無しという点にいても大きな特徴と言えます。

 

 

スマホユーザーとeコマースの親和性は更に加速する

ソフトバンクグループのみならず、大手キャリアのauも今週からスマホユーザーのeコマースへの顧客獲得に注力していきます。昨年、DeNAショッピングモールがauの運営母体であるKDDIに買収された事はご存じの方も多いことでしょう。KDDIが運営の舵取りをすることで、約4,000万人と言われているauユーザーをネットモールへと誘導することが期待できます。全く何の関連性も無いユーザーを啓蒙することでマーケットを開拓するよりも、すでに他のサービスで囲い込みが出来ているユーザーに買い物してもらう方が誘導コストの費用対効果も高く、より現実的です。

 

また、楽天モバイルを有するも、まだまだ通信ビジネスでは発展途上の楽天市場もモバイル経由からの買い物客は年々増えています。更に増え続けるモバイルユーザーに対して、さらに簡単に買い物ができるよう、スマホ向けアプリの開発や、見やすいページのための工夫など、急速に改善を進めています。

 

 

インターネット自体がモバイル中心の時代へ

一昔前までは、インターネットで買い物をするためにはパソコンが必須でした。しかしながら、スマホの登場によってパソコンと遜色ない機能を誰でも簡単に利用できるインフラが急速に整備されました。今後、ネットへ接続する端末はPCよりもモバイル端末の方が多くなるのも時間の問題です。2015年4月に検索最大手のGoogleが「モバイルフレンドリー」という検索アルゴリズムを発表しました。「モバイルフレンドリー」とは、ホームページ自体がスマホやタブレットに最適化された作りでは無いと、検索順位が下がってしまうと言う次世代の検索ルールです。今後、さらにこの動きは活発化し、近い将来、パソコン向けホームページよりもモバイル向けに作られたページの方が検索対策を考える上で圧倒的に有利になってくるかもしれません。

 

Googleをはじめとする大手検索サイトの流れがモバイル中心になってくると、ネットショッピングモールの方向性も自ずと同じ方向に向いていくはずです。現状、大手ショッピングモールの大半が、パソコン向けのページコンテンツだけあれば商品が出品できる仕様となっています。ところが、パソコン向けページ用の素材だけを使って商品ページを作れば良いという時代はすでに終わりを告げており、これからの時代はモバイル向けコンテンツの方が断然重要になってきます。もちろん、そんな時代背景の中で、パソコン向けページを簡単にモバイル向けに変換してくれる便利なツールもたくさん出てきています。これからまだまだ急成長を遂げていくモバイルを中心としたマーケット。その流れに乗り遅れないよう、モバイル向けコンテンツの充実に優先的に意識を向けてください。

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