非型番商品と型番商品の効果的な販売手法(その1)

Date:2017.02.15

突然ですが、皆さんが取り扱っていらっしゃる商品は非型番商品ですか?それとも型番商品でしょうか?ここで言う非型番商品とは製造直販など、自社以外のお店には流通しないオリジナル商品の事です。「型番商品」とは、有名メーカーが製造し、一般流通する商品のことです。

 

型番商品と非型番商品はその性質の違いから、インターネット上での販売手法が大きく異なります。非型番商品に関しては、製造者が自ら広告を打たないと、ユーザーに知ってもらう機会がありません。そのため、価格も重要ですが、それよりも商品の良さや作り手の熱意や思い、他商品との違いなど、ユーザーが購入に至るまでには多くのハードルがあり、それを一つ一つ乗り越えていく必要があります。一方、型番商品の販売方法に関しては、製造メーカーが商品の知名度向上のために予算を組んでプロモーションを行ってくれるため、ユーザーが店舗に訪問(アクセス)した段階で、その商品のことはすでに認知しています。それ故に、購入に至るためには販売価格であったり、サイトへの誘導(検索対策)が最も重要となってきます。

 

今回は、「非型番商品と型番商品の効果的な販売手法」と題しまして、2回連続で特集を組んでいきます。

 

 

非型番商品の売上げの組み立て方

ここでは、「非型番商品を主に販売するお店」=「製造直販のお店」と仮定して話を進めていきます。

 

製造直販のお店の場合、型番商品を扱うお店との一番大きな違いは「取扱商品点数」です。一般的に型番店舗の場合、メーカーが製造した商品をたくさん仕入れることが可能なため、取扱商品点数を増やすことはそれほど難しいことではありません。ところが、製造直販商品の場合、商品開発に時間が掛かったり、製造キャパの問題で商品のバリエーションを増やすことが難しい等の理由で、簡単に取り扱い商品点数を増やすことはできません。従いまして、非型番商品は数少ない取扱商品の中から、圧倒的に売れる単品を育て上げることで、販売戦略が立てやすくなります。

 

全体の売上げを組み立てる上でも、売れ筋商品を軸として、その商品でいくら売るのか?(もしくは売りたいのか?)、また、その他の商品でどれぐらいの比率にするのか?(したいのか?)を考えることが重要なポイントとなります。「なんとなく全体的にいくらぐらい売れたらいいな~」というレベルでは具体的な販売手法がぼやけてしまいますので、必ず取扱商品の中で売上比率を決める習慣を身に付けましょう!

 

 

売れ筋商品をどうやって販売するかを考える

商品毎の販売比率を決めたら、まず、最も比率が高い商品にスポットを当てます。そして、その商品が競合他店と比較して価格が適正なのか?商品の魅力はちゃんとユーザーに伝えられるだけのコンテンツ(商品写真や説明などの素材)は揃っているか?を確認します。この作業を行っていないと、どんなに集客力がある広告を利用しても納得がいく効果は得られません。

 

次に、その商品の告知方法(広告メニュー)を選びます。楽天市場などの大手ショッピングモールでは、大きく分けて 1.特定の場所に一定期間広告を表示させる「Web広告」、2.検索結果連動型の「サーチワード広告・CPC広告」、3.モールが配信するメルマガに広告を掲載する「メルマガ広告」があります。取扱商品によって、また広告を掲載する時期によって効果が大きく異なるので、どの広告が適切かをお伝えすることは難しいですが、短期集中で売上げを見込みたい場合はプッシュ型のメルマガ広告、ロングテールで商品の知名度を向上させ対場合は、待ち型のWeb広告や検索結果連動広告を選ぶようにすると良いでしょう。

 

なお、自社サイトの場合は検索エンジンの検索結果連動型広告、SNSなどのバナー広告、アフィリエイト広告が一般的に広く利用されています。

 

いずれにせよ、予算との兼ね合いで導入できる広告は異なってきますが、上で述べたとおり、広告を経由して商品ページを閲覧したユーザーに購入してもらえる準備が整ってから広告運用するように心掛けてください。

 

 

迷わず購入してもらえる商品へまっしぐらに誘導

広告の誘導先、メルマガのリンク先、店舗ページトップなど、ユーザーに購入してもらいたい商品(最も売れると見込んだ商品)につきましては、訪問者が迷わずその商品のページへたどり着くように導線を工夫しましょう。既存客は別として、初めて商品を購入するユーザーは何を購入すれば良いか分からないという理由で、せっかくページへアクセスしてもらってもページ内で迷子になってしまい直帰してしまう人も少なくありません。

 

例えば、初めて行ったレストランでどの料理を注文したら良いか迷ったとき、店の人に「お勧めの商品はどれですか?」と聞いたことはありませんか?質問した側は、たいていお勧めされた商品を注文するはずです。迷わず誘導されたオススメ商品の注文率(転換率)が高くなることは、リアル店舗でもネット販売でも同じ事なのです。

 

 

 

「売りたい商品」より「売れる商品」の販売を優先する

商品別に売上げをシミュレーションしても、時としてその予想に反する結果が出る場合もあります。例えば、最も売りたい商品よりも他の商品が結果的に売れた場合はどうすれば良いでしょうか?それは、売れた商品の販売を強化する方が、売上げを組み立てる上では正解なのです。売れにくい商品よりも売りやすい商品を優先的に販売する方が、売上げを伸ばすためには近道なのです。

 

 

 

購入者に安心感を与える工夫をする

リアル店舗での販売と比較して、ネット販売のデメリットは「売り手の顔が見えないこと」です。非型番商品を販売する上で商品と同じぐらい重要な要素は「売り手の顔」なのです。商品ページや会社概要ページには必ず製造者や販売者の顔を掲載し、ユーザーに安心感を与えましょう。また、製造工程や実際に購入した顧客からの声などを掲載することも効果的です。前提として、ネットで商品を購入するユーザー、ましてや非型番のオリジナルを購入するユーザーにとって、商品と同じレベルで信用してもらうべき対象は「人」なのです。

 

 

次回へ続く。。。

 

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