PRオプションとストアマッチ

Date:2019.02.15

Yahoo!ショッピングの代表的なプロモーションとして「PRオプション」と「ストアマッチ」があります。いずれも検索結果で取扱商品を上位表示させるための広告で、検索経由での流入が多いYahoo!ショッピングでの販売戦略を考える上で非常に重要な広告メニューと言えます。

いずれも検索結果連動型広告に変わりはないですが、それぞれ特徴があり性質も異なります。これらの「クセ」をしっかりと理解しておかないと費用対効果が下がってしまい、効果的な運用ができなくなってしまう危険性が伴います。

今回は「PRオプション」と「ストアマッチ」の違いと、効果的は運営方法について考えてみましょう。

 

PRオプションとは?

PRオプションとは、商品が売れた際の販売手数料(PRオプション料率)を設定することで、検索結果上位に自社の商品を表示させる広告です。商品が売れた場合にのみ広告費が発生する成果報酬型で、広告をクリックされただけではコストが掛かることはありません。例えば、料率10%で10,000円の商品がPRオプション経由(料率を設定することで上位表示された商品のリンクをクリックしてユーザーが流入した場合)で売れると、1,000円の費用をYahoo!側に支払うといった仕組みです。

設定方法は非常にシンプルで、販売金額に対して「何パーセントの料率を払うか?」を設定するだけです。料率はストアで販売している全商品に対して一律で料率を設定する方法と、商品毎に設定する方法があります。(商品毎に設定する場合、それぞれ異なる料率を設定することが可能です)

検索結果の表示順位は料率設定の高い店舗の商品が優先的に上位表示されます。取扱商品カテゴリーの平均PRオプション料率レポートがストアクリエーターProから確認できますので、その料率を参考に上位表示するための目安料率を知ることができます。PRオプション経由で商品が売れた際の手数料を設定するだけで検索結果上位に表示されますので、誰でも簡単に運用できるというメリットがあります。

一方、デメリットとしては販売が成立した後にその注文がキャンセルになったとしてもコストが掛かってしまうということです。返品対応をサービスの一環として行っている店舗さんや、数十万、数百万といった高単価の商品を扱っている店舗さんは注意が必要です。

 

ストアマッチとは?

ストアマッチも検索結果連動型広告に変わりはありませんが、PRオプションとの大きな違いは「クリック課金型広告」であるということです。PRオプションとは異なり、商品が売れた際に広告費を払う必要はありませんが、広告がクリックされた時点で費用が発生します。いわゆる検索エンジンの検索結果連動型広告(リスティング広告)と仕組みは同じです。

ストアマッチ広告の中には「アイテムマッチ」と「ストアのイチオシ」の2種類のメニューがあります。設定方法と掲載場所が若干異なりますが、いずれも検索結果連動型の広告であることに変わりはありません。

はじめてストアマッチ広告を利用する人には「アイテムマッチ」がお勧めです。検索結果で上位表示させたい商品を選び、予算を設定するだけで簡単に始めることができます。(検索キーワードは自動設定ですので、面倒な作業はほとんどありません)一方、「ストアのイチオシ」は検索キーワードと連動させる必要となりますので、慣れないうちは多少面倒かもしれません。まずは、「アイテムマッチ」の運用に慣れてから「ストアのイチオシ」導入を検討してみましょう。

ストアマッチ広告のメリットはクリック課金型であるということ。転換率が高い商品などで活用するとPRオプションよりも費用対効果が良くなることが期待されます。一方デメリットはクリック課金型ゆえに、転換率が低い商品や単価が低い商品などを掲載すると無駄にコストが嵩んでしまうこと。メリットとデメリットが表裏一体であるという特徴があります。

 

結局、どっちの広告が良いの?

PRオプションとストアマッチの違いについてみてきましたが、結局、どちらの広告が良いのでしょうか?その答えは「商品によって異なる」です。

例えば、PRオプション料率が10%だと売れた商品代金の10%の費用を負担する必要がありますが、この固定コストをストアマッチに割くことで、より多くのクリック数を獲得できるかもしれません。更に転換率が高い商品や高単価の商品であれば、PRオプションより安いコストで広告運用ができる可能性があります。

「PRオプション」と「ストアマッチ」はYahoo!ショッピングの検索で商品を上位に表示させるための広告です。上位に表示されたとしても、売れない商品であれば広告を運用する意味がありません。仮に検索上位に表示されてもあまり売れない商品であれば成果報酬型のPRオプションを活用した方が良いように思えますが、その場合は商品の販売価格、ページコンテンツ、商品自体の魅力など、そもそも売れるようにするために見直すべき点がたくさんあると言えます。

「ユーザーにとって魅力のない商品は露出を高めても売れない!」

その点を留意して、まずは、多くのユーザーの目に留まることで、売れる条件を整備する事に注力してください。

 

検証すべき事は「どちらが費用対効果が高いか?」

「PRオプション」は店舗に登録している商品に対して、一定料率を設定することで簡単に検索表示順位を上げることができます。しかしながら、Yahoo!ショッピングで購入するユーザーのほとんどは検索経由から流入してくるため、売れた金額に比例して広告費も増えてしまうという欠点があります。

一方、「ストアマッチ」もクリック課金型ゆえに、掲載する商品の性質次第(転換率が低い商品、高単価の商品など)では費用対効果が悪化してしまう危険性があります。

そこで試して頂きたいことは、「PRオプション」と「ストアマッチ」をコストを調整しながら両方試してみることです。商品毎の性質を理解しながら、それぞれの広告を併用していく中で最も費用対効果が高い組み合わせを考えてみてください。あくまでもPRオプションを高い料率で掛けっぱなしにすることや、「ストアマッチ」を最初に設定したっきり放置すると、広告費の無駄遣いに繋がる危険性がありますので注意してください。

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